産土神(うぶすながみ)

正月五日、実家にある神社に行った。

尾根筋の小さな大地に神社はあり、地域は過疎化が進み参拝する人たちはほとんどいない。

有名な寺社は人で混み合っているというのに。

神様もあまり参拝客が多いと願い事を聞くのは大変だろう!

ここは静かで清らかな空気が流れている。

倒れている石仏を元に戻す。

神社の片隅に産土神が祀られている。

老母はいつも神社に行ったら産土様に手をあわせてくる様に私に言う。

祠にかぶった枝や枯葉をはらい、米・みかん・りんご・干し柿を供え手をあわせる。

産土神とは、その土地に生まれた者の守護神となり、その人の一生を通じ守護し見守ってくれる神様だという。

 

私はとりわけ信仰心があつい方ではないが、生まれた地の神社と産土様に手をあわせると心が安堵する。

T.Ito