バーモントの甘い春 〜前編〜

3月のバーモント州。
昨日はアイルランドが発祥のSt. Patrick’s Day(聖パトリックの日)でした。

まだ春の訪れとは言い難いほど気温も低く、雪も残り、
ウィンタースポーツもまだまだ楽しめるこの季節。

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そんな中でもバーモンター(バーモントの人々のことをこう呼ぶ)たちは
ワクワク、ソワソワし始めます。

なぜかって?

そう、みんな大好き、メープルシロップの季節だから。

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「メープルシロップといえばカナダ」というくらい、
日本ではカナダ産の流通量が一番多いですが、

同国との国境に隣接しているバーモント州やニューハンプシャー州、メイン州、ニューヨーク州でもメープルシロップは生産されています。

その中でもバーモント州の生産量は、ほぼ毎年全米No.1。

バーモントに馴染みの深い私にとっては、
幼い頃から「メープルシロップといえばバーモント!」です。

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2月~4月の特に寒暖の差が大きい季節にカエデの樹液(Maple Water)を搾取するのですが、
カエデの幹にブリキのバケツかけてあるのがあちこちで見かけられます。

(現代は効率化を図るため、ホースでの搾取をすることも増えているよう。)

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(カエデの樹にくっついているバケツが見えるでしょうか?)

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ブリキのバケツがまた良い雰囲気。

樹液が絶え間なくポタポタと落ちていきます。

樹液はすっきりさらっとしていて、ほんのりどこかで甘い水のような感じ。
樹から出てきた自然の味がします。

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甘いとろ~っとしたメープルシロップになるにはまだまだこれから。

そして採れた樹液を集め、
メープルシロップを煮詰めるための「Sugar House」と呼ばれる小屋の煙突から
勢いよく煙と水蒸気が立ち上がります。

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この季節ならではのバーモントの風物詩。

木の板を張った小屋というところもまた風情があり、
昔からのやり方や雰囲気を今でも残しているところにも感心します。

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2011年の留学中、
そんなバーモントの歴史ある風景をぜひ見てみたいと思い、

長い付き合いでお世話になっている地元の友人に
念願のシュガーハウスツアーに連れていってもらいました。
(写真は全てその時に撮影したものです)

幼い頃から、デザインの素敵なメープルシロップの缶やボトルを見つめながら
よくいろんな想像を膨らませていたものです。

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(一番お気に入りのメープルシロップの缶)
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果たしてどんな風にしてあの甘い美味しいメープルシロップは作られるのか。

いざ、シュガーハウスの中へ…
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後編へ続く